kickflow Tech Blog

株式会社kickflowのプロダクト開発本部によるブログ

kickflow で作って使っているカスタムスラッシュコマンドを紹介します

claude code を使っているイメージ

こんにちは。
kickflowでエンジニアをしている芳賀です。

kickflowでは「AI 1st」というバリューを掲げており、AIをあらゆる業務や意思決定の一番最初の選択肢においています。 エンジニアチーム内でも、Claude CodeDevinをはじめとした様々なAIを活用し、開発業務の効率化を進めています。

では具体的にどのような取り組みをしているのか?
本記事ではその一例として、開発チームで作成・運用しているClaude Codeのカスタムスラッシュコマンドをご紹介します。

カスタムスラッシュコマンドとは?

Claude Codeの公式サイトでは、カスタムスラッシュコマンドについて次のように説明されています。

カスタムスラッシュコマンドを使用すると、頻繁に使用するプロンプトをMarkdownファイルとして定義し、Claude Codeが実行できるようにできます。コマンドはスコープ(プロジェクト固有または個人用)ごとに整理され、ディレクトリ構造による名前空間をサポートしています。

簡単に言うと、よく使う一連の指示を自分だけのコマンドとして登録できる機能です。Claude Codeのチャット画面で/helpと入力するのと同じように、/my-command argsといった形式で手軽に呼び出せるのが大きな魅力です。

個人的な感覚としては、同じようなプロンプトを繰り返し入力していて「少し面倒だな」と感じたときが、カスタムスラッシュコマンドを作る絶好のタイミングだと感じています。

そうしてClaude Codeを使い始めて数ヶ月、チーム内には便利なカスタムスラッシュコマンドがいくつも蓄積されてきました。
ここからは、実際にkickflowの開発チームで使われているカスタムスラッシュコマンドをいくつか抜粋してご紹介します。

kickflowで活用しているカスタムスラッシュコマンド

コーディング

/marunage-front - フロントエンドのタスクを丸投げ

フロントエンドの開発タスクを自動化するコマンドです。要件分析と実装を担当する2つのサブエージェントが連携して動作します。

  • 曖昧な指示を検出した場合は、明確化を求める質問を返します。具体的な指示であれば、要件定義から実装、テストまでを一貫して自動で処理します。
  • kickflowの開発規約を厳守しながら、Nuxt 4Vue 3TypeScriptVuetify 3を使用した実装を行います。
  • 最後に必ずyarn testtypechecklintを実行し、品質を担保します。

Dさん「大まかな指示で依頼しても、丁寧に要件を詰めてから作業してくれるので、他のタスクと並行して進めやすくなりました。」

/rails-dev - Rails開発タスクの実行

Ruby on Railsにおける開発フローを体系的に実行するコマンドです。要件分析から実装、テスト作成、品質チェック、レビュー準備までをカバーします。

  • 開発ケース(フル開発/計画のみ/実装のみなど)を自動で判定し、適切なステップから処理を開始。必要に応じてサブエージェントと連携します。
  • プロジェクトのルールを遵守し、RuboCopの実行やマルチテナント対応など、Rails特有の要件を自動的に処理します。

Cさん「内部で複数のエージェントを適切に使い分けてくれるのが便利です。特に、RSpecのテストコードを自動で生成してくれるサブエージェントとの連携は助かっています。」

その他開発

/explain - コードの説明

Claude Codeが直前に実行した作業について、「何をしたか」そして「なぜそうしたか」を詳細に説明させるコマンドです。AIの技術的な判断根拠や思考プロセスを明確化します。

  • 使用したツールの選択理由、検討した代替案との比較、プロジェクトルールの適用方法など、Claude Codeの内部的な判断プロセスを可視化します。
  • 複雑な実装の後や、予期せぬ動作をした際にこのコマンドを使うことで、AIの思考を深く理解でき、自身の学習やコードレビューの質向上に繋がります。

Fさん「AIに任せる業務の比重が大きくなるほど、このコマンドの活用機会が増えそうです。特に/marunage-frontのような包括的なコマンドと組み合わせると効果的ですね。」

Git/GitHub関連

/commit - コミット作成

分かりやすいコミットメッセージとともに、Gitリポジトリに変更をコミットするコマンドです。

  • 変更内容の確認 (git status) → ステージング (git add) → コミット (git commit) の3ステップを自動で実行します。コミットメッセージは日本語で記述されます。
  • ユーザーの作業内容を文脈から理解し、「ユーザー登録機能のバグ修正」のような簡潔で分かりやすいメッセージを自動生成します。

Cさん「『目的別に細かく分けてコミットして』や『ステージング済みのファイルだけコミットして』といった追加の指示にも柔軟に対応してくれるのが素晴らしいです。」

Eさん「今ではコミットメッセージはほとんどAIに任せています。不要なファイルが含まれているときなど、微調整が必要な場合にだけ指示を出すスタイルになりました。」

/create-pr - プルリクエスト作成

現在のブランチをGitHubにプッシュし、プルリクエスト(PR)を作成するコマンドです。ユーザーとの対話を通じて必要な情報を収集します。

  • マージ先のブランチ、関連するAsanaタスクのURL、仕様書の有無などを一つずつ確認し、プロジェクトで定められたPRテンプレートに従って説明文を自動生成します。
  • git diffの結果を分析して「やったこと」を要約し、最終的にGitHub CLIgh)を使って日本語タイトルのPRを作成します。

Aさん「最近は/create-prでしかPRを作成していません。もう手書きでPRの説明を書く生活には戻れないですね。」

Dさん「ウィザード形式で進めてくれるので、情報の抜け漏れがなくなり助かっています。」

/rebase-develop - developブランチへのリベース

現在の作業ブランチを、最新のdevelopブランチの状態でリベースするコマンドです。

  • 安全性を考慮し、ブランチ確認 → 未コミット変更の退避 (stash) → リモート情報の取得 (fetch) → リベース (rebase) → 退避した変更の復元 (stash pop) という一連のステップを自動で実行します。developmainブランチ上での誤実行を防止するガード機能も備わっています。
  • コンフリクトが発生した場合は、解決方法の候補を提示します。各ステップの進捗は日本語で報告され、安心して任せることができます。

Dさん「私たちのチームは開発が活発なので、頻繁にdevelopブランチの変更を取り込む必要があります。その際にこのコマンドが非常に役立っています。」

/renovate-pr-check - Renovate PRのチェック

Renovateが作成したPRを分析し、安全にマージできるかどうかを評価するコマンドです。

  • GitHub CLIを用いてPR情報を取得し、package.jsonGemfileの差分を解析。CIのステータス確認、破壊的変更の検出、セマンティックバージョニングに基づく影響評価を自動で行います。
  • 必要に応じてライブラリの公式リリースノートを参照し、変更内容を要約します。
  • 最終的に、安全にマージ可能かどうかを総合的に判定し、「即マージ可」「要手動レビュー」といった推奨アクションを提示します。

Eさん「これは個人的にもずっと欲しかった機能なので、大変重宝しています。」

Fさん「きちんと公式のリリースノートを読んで修正内容を要約してくれたり、私たちのサービス内での影響範囲を調査してくれたりするので、安心してマージ判断ができます。依存パッケージの動向を追う良い機会にもなっています。」

まとめ

今回は、kickflowの開発チームで活用しているカスタムスラッシュコマンドの一部をご紹介しました。 全体として、コーディングそのものを自動化するコマンドよりも、コミットやPR作成、依存関係の更新といった「開発周辺業務」を効率化するコマンドが多くなっているのが特徴的です。

もし使えそうなものがあれば、ぜひ皆さんのチームでも試してみてください。また、皆さんの会社で活用されている便利なカスタムスラッシュコマンドがあれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。

kickflowでは、今後もこれらのカスタムスラッシュコマンドをはじめ、「AI 1st」のバリューを体現しながら開発を進めていきます。


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