
プロダクト開発本部でエンジニアをしている秋山です。
去年に引き続き TSKaigi 2026 に参加してきました。 去年は個人で参加しましたが、今年は kickflow の福利厚生であるカンファレンス参加費補助制度をフル活用しました!
相も変わらず人気のカンファレンスで、自分も販売開始時間に待機してオープンと同時に申し込んだクチですが、現地参加チケットは発売後間もなく売り切れとなってしまいました。TypeScript の人気の高さが伺えますね。
GitHub が発表する Octoverse 2025 でも、Python を抜いて人気ランキングトップになるなど、ここ一番ホットなプログラミング言語といっても過言ではありません。
実は kickflow でも TSKaigi 2026 のスポンサードを狙っていたのですが、残念ながら抽選に外れてしまいました… それだけ各企業からも大注目のカンファレンスということが実感できます。
TSKaigi について
TSKaigi は、「学び、繋がり、”型”を破ろう」をミッションに TypeScript に関するテーマを扱う日本最大級の技術カンファレンスです。
去年は TSKaigi イベント開催の直前で @typescript/native-preview の電撃発表があり、イベント当日、会場がザワついていたのを覚えています。 また、TypeScript のリリースマイルストーンとしては v6 のリリースから間を置かず v7 がリリースされる予定と TSKaigi Hokuriku で聞いていました。 3月のv6リリース、4月の v7ベータリリースと来ていたので、これはもしかして TSKaigi 2026 の開催とTypeScript v7 の正式リリースがぶつかるのでは、とドキドキしていましたが、さすがに2年連続でビッグサプライズとはならなかったようです。今年もリアルタイムで会場のザワつきを体験できるかと少し期待していました(笑)
会場の雰囲気

その代わりというか、セッションの幕間のブースの混雑っぷりがとにかくスゴかった! 見渡す限りの人人人…!35 社の出展スペースがあり、さすがに全てを回り切ることはできませんでしたが、趣向を凝らしたブースが多く、公式配布のエコバックがパンパンになるくらいの大量のノベルティをゲットできました。
休憩室では軽食やコーヒーが無料で提供され、ネイルアートやフェイスペイントと一風変わった企画のほか、果てはマッサージまでも提供されるという至れり尽くせりっぷり。これらの企画は自分は体験できていませんでしたが、イベントを盛り上げるための運営側の熱量がヒシヒシと感じられました。
また、2日分のランチ提供があるのも非常に助かりました。

印象に残ったセッション
ここからは2日間を通して聴講したセッションの中で、個人的に印象に残ったものをいくつかピックアップしていきます。
Oxlintはいかにしてtsgolintのlint ruleを呼び出しているのか
次世代リンターで探る、tsgo 時代における型認識カスタムルールの現実解
今年は Linter に言及する内容が上記セッション以外にも数多くありました。 コーディング AI による自律的な開発をする上でガードレールの整備はもはや必須条件です。 特にプロジェクトに合わせた Linter のカスタムルールがガードレールになることを期待しており、次世代 Linter の圧倒的速度による コーディング AI の開発効率向上がいつプロダクトに採用できるのか、という点で注目度が高まっているのだと思われます。
複数のセッションを合わせて聴講したことで、 次世代 Linter の解像度が上がり、現在地が明確になったと感じています。 現時点では tsgo が preview 版ということもあり、Oxlint もかなりの力技で対応している感は否めず、ルールのカスタマイズにはかなり高めのハードルがあります。これもエコシステムの充実によりいずれ解決していくと思われますが、どのようなステップを踏んで適用をしていけばよいかとても参考になりました。
ReactとSvelteのその先、Ripple-TS
このセッションで初めて Ripple TS というフレームワークを知ったのですが、その中で使われる TSRX という仕様に興味を惹かれました。 フレームワーク非依存かつ Fine-grained に対応した高速なレンダリング、直感的で分かりやすい構文、.value といった reactivity 記法からの脱却、Scoped CSS 対応といった、従来のペインポイントをフレームワークにロックインせずに解消するアプローチが鮮やかで、これは良さそう! と思わせるパワーがあります。 さすがにいきなりプロダクトに投入はできませんが、自分の中では今後の動向を注視して行きたい技術仕様になりました。
AI時代に考える、Branded Typesで実現する堅牢な型付け
TypeScriptの「型」をAIのスキルに昇華させてみた件について
前述の Linter と同様に Branded Types も複数のセッションで取り上げられました。 本来は TypeScript の性質である構造的部分型(同じキー名と型定義であれば名称や継承に関係なく互換性を認める仕様)の制限を回避し、意図しない型の混同を防ぐための手法ですが、型情報に加えてドメインモデルのコンテキストを載せることでコーディング AI がその意図を汲むことができる、というものです。
TypeScriptの型システムの延長線上で型に意味を持たせることができる Branded Types は、表現力を向上させるだけでなく、コーディング AI がそこからサービスの意図を読み取ることができ、コードの精度が上がる可能性を秘めているという主張は非常に納得感がありました。
2日間を振り返って
来たるべき TypeScript v7 と生成 AI の時代に向けて、開発事例というよりも TypeScript の内部構造を掘り下げるような内容のセッションが多いと感じました。
普段の業務上の開発ではこうした内部の仕組みまで深く踏み込む機会があまり多くないので、学びの機会としてはとても有意義でした。当然のように AI との協業が前提にあり、AI が実装を代替する現在では、みんなの関心が「どう作ったか」という個別事例から離れ、これから作るものは「どのような仕組みで作られるのか」というより普遍的な内容に移ってるのかもしれません。
Claude Code Opus 4 がリリースされたのがちょうど一年前。この一年で開発手法は大きく変化してきました。TypeScript もコーディングAIが能力を発揮するガードレールとしての側面がより強く意識されていくのだと思います。
セッションの内容や懇親会での情報交換でも今後の TypeScript の進んでいく方向が垣間見ることができました。 kickflow はフルリモートワークの会社で、普段は自宅からのオンライン業務で完結していますが、だからこそコミュニティの熱量を肌で直接感じられるオフラインイベントには今後も積極的に参加して行きたいと考えています。
最後に、素晴らしいカンファレンスを企画・運営してくださったスタッフの皆様、スピーカーの皆様、懇親会でお話させて頂いた皆様、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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